東京マラソン2014TEAM SMILE 座談会(後編)
多くの人とのふれあいを通して、コミュニケーションの大切さを学ぶ
東京マラソン2014TEAM SMILE 座談会・前編では、東京マラソンで得られる「出会い」や「達成感」について、大いに語ってもらいました。後編ではTEAM SMILE での経験が、仕事や私生活にどのように役立っているのかを中心に、楽しい会話の花が膨らみました。メンバーそれぞれに仕事を任せる勇気が大切
これは沢山あるんじゃないかと思うんですけれど(笑)、ボランティアリーダーの活動で大変だったことは何ですか? |
小檜山: 私は終わった後いつも自己嫌悪に陥る(笑)。あ~、あの部分が説明不足だったなぁとか、あの人にはああ言えばよかったな~とかね。 |
でも、最終的にはうまくできているんですよね。 |
南雲: その反省があるからこそ、次に活かせることもありますよね。 |
渡邊: 初めてボランティアリーダーを経験したとき、メンバーの約半分が高校生で、彼らと一般ボランティアの方との温度差、コミュニケーションをどう取ったらいいのかと困り果てていた思いがありますね。でも意外にメンバーの方がタフで、私が高校生に「大丈夫かな」って気持ちがいってしまっているときでもお互い助け合っていて、何かあったときだけ呼んでくれて。もうボランティアリーダーとして何もすることができなくて、「ごめんなさい」と思いながら時間が過ぎましたね。最後に「お疲れ様でした!」って言ってもらうと、ちょっとウルウル来ちゃって…。「役に立たないボランティアリーダーですみません!」みたいな気持ちで終わった思い出があります。 |
それを活かして、次に改善したという点はありますか? |
渡邊: あんまりメンバーに近づきすぎず、客観的に一歩引いて、全体のローテーションを見るようにしましたね。やっていいこと、悪いことだけを伝えて、あとはメンバーに任せて、必要なときだけ間に入るというふうに変えていきました。 |
小檜山: やることはちゃんと説明して、でも「これをやりなさい」ではなく、メンバーのみんなにもっと効率のいい方法がないか考えてもらう。これが問題を回避するコツかなと思いますね。 |
では逆に、ボランティアリーダーをやっていて嬉しかったことは? |
渡邊: メンバーが嬉しそうに活動しているのが一番嬉しい! |
小檜山: ランナーの皆さんの満足感ってわかるよね。 |
それはどんなときですか? |
小檜山: 気持ちいい汗を見るときだね。言葉がなくても、それは感じられちゃう。 |
南雲: ランナーが「ありがとう!」と声かけてくれるのが嬉しい。豊洲はちょうど40km 地点で、あと少しでフィニッシュですよね。「もう少し!頑張って!」って声をかけると、みんなありがとうって言いながら通る。そんな姿を見ると、やっていてよかったなぁと思いますね。 |
相手の気持ちを思いやる、おもてなしの心
ボランティアリーダーになって一番学べたことってどんなことですか? |
小檜山: 気持ちいい汗を見るときだね。言葉がなくても、それは感じられちゃう。 |
渡邊: コミュニケーション力だったり、人との連携の大切さは非常に学ばせていただいていると思います。それがないと物事って前に進めていけないって、TEAM SMILE に関わるようになってから実感しましたね。前はコンピュータプログラムの仕事をしていたので、パソコンに向かっていれば一日終わっちゃう。自分の与えられたことさえやっておけばいいと思っていました。なので、いかにみんなと話して、情報共有することが大切なのか、TEAM SMILE を通じて学びました。 |
南雲: 私は、メンバーさんとのコミュニケーションの中で、自分の言ったことで相手の気持ちが上がったり下がったりすることがわかったことですかね。 |
例えばどんな言葉ですか? |
南雲: 「今日も綺麗ですね」と言えばテンション上がりますよね。でも「最近太ったんじゃないの」なんて言えば下がるじゃないですか。最近話題になっている「おもてなし」っていう言葉がありますよね。やっぱり自分が言われて嫌なことは相手に言わないとか、相手の気持ちを考えるっていうことが本当のおもてなしなんじゃないかなと。そんな考えは、TEAM SMILE で学んだことですね。 |
そろそろ時間なので最後の質問。これから新しくボランティアリーダーになる人へメッセージがあれば。「そんなに甘くないぞ!」ですとか(笑) |
小檜山: ボランティアリーダーで大切なことは、上手に褒めること。「いい笑顔だなー、素晴らしいね。みんなにも出来るはずだよ。やってごらん」って、みんなに良い雰囲気を広めることかな、なんて思いますね。 |
渡邊: 新しくボランティアリーダーになる人は「恐れることなかれ」です。多分戸惑うことも多いかもしれないけど、一度自分でやってみて駄目なら他のボランティアリーダーにSOS を出せばいいですし、今はリーダーサポートもいるし。変な話、メンバーに助けてくださいでもいいと思うし…。とにかくやってみることですかね。 |
南雲: 周りに遠慮なく「サポートしてくれますか」って助けを求めることかな。実際ボランティアリーダーよりも詳しいメンバーも沢山いますね(笑)。 |
(この座談会は2013 年10 月7 日に収録しました。取材・文/東京マラソン財団) |